「田舎に仕事はあるのか?」という問いには、以前の記事で一つの答えを出しました。有効求人倍率のデータと転職事例を見る限り、「仕事自体がない」というのは思い込みに近いというのが結論でした。
ただ、仕事があるとわかった後、田舎で暮らしながらその仕事とどう付き合うのか?ここは、田舎で暮らしたことがなかった私が移住前に一番想像できなかった部分です。
私は東京生まれ東京育ちでマーケティングを生業にしており、今住んでいる集落には親戚も知人もいませんでした。いわゆる地縁ゼロのIターンです。8世帯13人の集落で、仕事を一から組み立て直しています。
この記事では、仕事があるかないかではなく、暮らしの中に仕事をどう組み込むかという軸で検証しました。一次情報はYouTube動画9本・X投稿32件、これに私自身の体験を重ねています。
この記事でわかること
- 田舎暮らしと仕事の関係を、実際どうしているかという視点で整理した基本論点
- 地域おこし協力隊・テレワーク・地元企業・起業や複業まで、仕事の種類ごとの実態
- マーケティングスキルを地縁ゼロの集落でどう転用したか、私自身の体験
- 協力隊の手取りや拘束時間など、収入に関する一次情報の実数
- 求人サイトや協力隊まとめサイトなど、仕事の探し方
- 田舎で働く上で実際に大変だったこと
- 「探す」より「組み込む」という、暮らしと仕事の統合軸のまとめ
なお、この記事で紹介するYouTube動画・X投稿の事例は個人の体験談です。統計的な平均ではなく、地域や担当部署によって実態が異なる点はご留意ください。
田舎暮らしでの仕事、実際どうしているか?

前回の記事では「仕事はあるのか?」という不安に、データと転職事例で答えました。今回はもう一歩先に進みます。仕事があるとわかった後、田舎で暮らしながらその仕事とどう付き合っているのか、という論点です。
地方移住の満足度を複数調査から算出したデータを見ると、この論点の重要性がよくわかります。@konstnar2011さんの投稿によると、満足約55%・後悔約10%に対し、「どちらとも言えない」中間層が約35%を占めています。
「家は広くなったが、収入は減った」というプラスマイナスの相殺がその内実だといいます(@konstnar2011)。仕事の有無ではなく、仕事とどう折り合いをつけるかで満足度が割れているわけです。
移住はプロジェクトだと捉える視点も参考になります。思いつきで進めるのではなく、必要な金額や仕事の見通しを事前に組み立てる姿勢が語られていました(参考:YouTube「田舎移住で仕事はどうやって探す?失敗しないために必要な金額も暴露」)。
仕事の形も一つに絞る必要はありません。@shunxlchさんは「フリーランスになることも、地方へ移住することも、選択肢の一つとして知ってもらいたい」と発信しています。
@shafuuuu3126さんも、フリーランスの仕事がうまくいかなくなった場合の「プランB」として、地方でのアルバイト生活を想定していると投稿していました。
会社員・フリーランス・複業のどれか一つに縛られず、暮らしの状況に合わせて仕事の形を組み替えるという発想が、実際に田舎で働いている人たちに共通していました。
この記事では、①仕事の種類、②私自身のマーケティングスキル転用、③収入の実データ、④仕事の探し方、⑤大変だったこと、の順に、この「組み込み方」を具体的に見ていきます。
仕事の種類:地域おこし協力隊・テレワーク・地元企業・起業・複業

田舎での仕事は、大きく4つに整理できます。
地域おこし協力隊
地域おこし協力隊とは、都市部から地方に移住した人を自治体が受け入れ、地域活性化に関わる業務を担ってもらう総務省の制度です。任期は1〜3年程度で、活動内容は自治体ごとに異なります(総務省「地域おこし協力隊」)。
雇用形態も一様ではありません。YouTube「9分でわかる!地域おこし協力隊の『活動・お金・進路』」によると、約80%が自治体との雇用契約で、残り約20%の多くは個人事業主として活動しているとのことです。
活動分野も農林水産業・環境・医療福祉・観光・教育情報通信・地域づくりと幅広く、同じ市の募集でもミッションがまったく異なるケースがあるといいます(参考:YouTube「9分でわかる!地域おこし協力隊の『活動・お金・進路』(募集サイト紹介つき)」)。
実際の求人を見ると、この幅の広さがよくわかります。山口県周防大島町では、希少サンゴ「ニホンアワサンゴ」の飼育管理を担う協力隊を週4勤務・副業OK・住居支援ありの条件で募集していました(@turnsnews)。
高知県須崎市では、養殖の担い手育成隊員を「午前は海、午後は自由。しかも安定収入」という表現で募集していました(@susaki_city)。
北海道釧路町では、移住定住サポートを担う「暮らしナビゲーター」を募集していました(@watermannemusic)。
アート・ものづくり系の職歴を経て地域おこし協力隊で新潟県栃尾に移った例(@scrapanimal)もあり、前職の専門性を問わず入口として使われている実態がうかがえます。
任期後の進路も一様ではありません。同YouTube動画によると、任期終了後は約6割がその地域に定着し、内訳は起業29%・就業47%・就農4%だといいます(参考:YouTube「9分でわかる!地域おこし協力隊の『活動・お金・進路』(募集サイト紹介つき)」)。
@tiikiokosi_0815さんの投稿でも、任期後は約6〜7割が定住し、カフェやゲストハウスの起業、地元企業・団体への就職、就農など進路は多様だと紹介されています。
滋賀県沖島では、新卒で協力隊になった人物が任期後に通船船長になった事例(@shigahochi)もあります。福島県玉川村では、協力隊卒業後に役場の移住コーディネーターとして正式採用された実体験(@MizuhoTanaka4)も投稿されていました。
テレワーク・リモートワーク
会社員のまま移住地を変える働き方も一般的になっています。YouTube「田舎移住で仕事はどうやって探す?」では、リモートで企業研修講師の仕事を続けながら移住した事例が紹介されていました(参考:YouTube「田舎移住で仕事はどうやって探す?失敗しないために必要な金額も暴露」)。
一方で、テレワークが常に順調に始まるわけではありません。@emma_remote_jobさんは、夫の転勤先のハローワークで最初に紹介された仕事が「額面月給13万円」だったと明かしています。
そこから在宅ワークを模索し、「今では時給5,000円の契約もできてる」と、時間をかけて条件を積み上げた経緯を投稿していました。
地元企業への就職
地方の企業側の採用感覚も知っておく価値があります。千葉県我孫子市で障害福祉支援事業を経営する連続起業家は、YouTube「田舎起業がアツい!地方ビジネスのメリットを連続起業家が語る」の中で、地方は都市部に比べて競合が少ないと語っていました。
新卒採用では「地域貢献」という言葉への反応が高い傾向があるといいます(参考:YouTube「田舎起業がアツい!地方ビジネスのメリットを連続起業家が語る」)。
web集客よりも地方紙やキャスティングなど、現地に根ざした施策が効きやすいという指摘も、地元企業で働く上での参考になります。
いわて地域おこし協力隊ネットワークでキャリアコンサルタントとして卒業後支援に携わる手塚さや香さんの発言を紹介する投稿(@thincJournal)によると、「卒業後の道は独立だけではなく、地元企業への就職という選択肢もある」といいます。
起業・複業
複数の収入源を持つ働き方も、田舎ではめずらしくありません。YouTube「【田舎の仕事】働き方や収入はどうしてるの?」では、ある移住者の収入源が紹介されていました。
その柱はキャンプ場の手伝い・地元の個人事業者のホームページ制作・通販での商品販売・情報発信・移住促進セミナーの講師料の5つです(参考:YouTube「【田舎の仕事】働き方や収入はどうしてるの?」)。
同様に「【田舎暮らし 仕事】田舎暮らしをしていて、どうやって仕事(収入)を得るのか?」では、元営業職の人物の収入源が紹介されています。
その柱はモデル事務所の営業委託・商品開発サポート・SNSコンサル・セミナー講師・農家の手伝いの5つで、「収入の柱を何本も持つ」ことが田舎暮らしでは一般的だと語られていました(参考:YouTube「【田舎暮らし 仕事】田舎暮らしをしていて、どうやって仕事(収入)を得るのか?」)。
起業という選択肢も見えてきました。@UNOKINOKIさんは、大阪から石川に移住し、会社を作り人を雇うまでに約2年を要したと振り返りつつ「歩みを止めなければ必ずゴールに辿り着く」と投稿しています。
小豆島で地域おこしに携わる野村昌広さんのように、MBA取得からホテル起業を経て地方に軸足を移した例(@inakan_jp)もあります。都会で積んだキャリアをどう手放し、どう活かすかという問いは、多くの移住者が向き合っているテーマだとわかります。
マーケティングスキルを地方でどう転用したか?地縁ゼロの田舎での実体験

ここからは、私自身の体験を書きます。以前の記事では、マーケティングスキルが地方でどこまで通用するかを、フルリモート・地方実店舗への直接転用・資産型収入構築という3パターンで整理しました。
今回はそのパターン分けをいったん脇に置き、私自身が地縁ゼロで飛び込んだ島根県・隠岐で、実際に何をしたのかを書き残します。
移住した当初、私には地域の中で頼れる人脈がまったくありませんでした。前職の名刺も、東京で培った人間関係も、移住先では通用しません。
最初にできたのは、地場の特産品を扱う小さな事業者のEC運用や配送業務、簡易なホームページの制作、データ分析をお手伝いなど、いわば何でも屋としてかかわることでした。
マーケターとして日常的にやってきた戦略設計や訴求設計など、コンサル的な進め方はそのままでは全く刺さりません。まず、この地域のなかで関係性を作ることから始める必要がありました。
東京での経験がそのまま通用しなかった一方で、「情報を整理して人に伝える」というスキルの核の部分は、形を変えて確かに機能しました。
ECの商品ページを作り直す、地域の行事のポスターを制作する、といった小さな作業の積み重ねが少しずつ「この人に頼めば伝わる」という信頼につながっていきました。
地縁がない分、まずは手を動かして結果を見せる以外に、自分の技術を証明する方法がなかったというのが実感です。
都会で磨いてきたやり方は、そのままでは機能しません。地域の文脈に合わせて一つずつ置き換えることで、初めて効き始める。それが、この集落で私が実際に経験したことです。
地方移住で収入はどう変わるのか?

収入の話は、抽象的な「下がる/下がらない」ではなく、実数で見る必要があります。
地域おこし協力隊の給与構造には、あまり知られていない実態があります。YouTube「[給料大公開!]地域おこし協力隊の闇3選」では、長野県南箕輪村の隊員2名が手取り10万〜14万円(家賃補助5万円込みで実質家賃はタダ)という実額を公開していました。
拘束時間にも自治体ごとの差があります。同じ「地域おこし協力隊」という肩書きでも、実態は次のように異なります。
| 自治体 | 週の拘束時間 | 手取り目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 長野県南箕輪村 | 37.5時間 | 10万〜14万円 | 家賃補助5万円込みで実質家賃ゼロ |
| 長野県伊那市 | 24時間 | ー | 同じ協力隊制度でも自治体差が大きい例 |
| 長野県箕輪町 | 30時間 | ー | 同上 |
| 全国目安(総務省基準) | ー | 月16.6万円(手取り約12万円) | 報酬費の上限は年間200万円 |
(参考:YouTube「[給料大公開!]地域おこし協力隊の闇3選」)
年間予算470万円の内訳は報酬200万円・活動経費270万円です。家賃補助や通勤費など差し引かれる項目が多く、活動費は実感として100万円程度しか自由に使えないという「使いづらさ」も指摘されていました。
別の動画では、財政措置の上限額を隊員1人当たり年間400万円と紹介していました。内訳の比率は自治体や年度によって異なるものの、実際の月給は多くが16.6万円(手取り約12万円)に落ち着いているといいます。
報酬費は、上限ギリギリの16.6万円×12カ月=199.2万円に設定されているとのことです(参考:YouTube「9分でわかる!地域おこし協力隊の『活動・お金・進路』(募集サイト紹介つき)」)。数字の細部は情報源ごとに異なりますが、「手取りは月10万円台前半が中心」という水準感は共通しています。
一方で、複業に収入源を分散させることで安定を図る動きもあります。複数の収入の柱を持つことで「仕事が止まった途端に収入ゼロになる」事態を避ける仕組みです(参考:YouTube「【田舎暮らし 仕事】田舎暮らしをしていて、どうやって仕事(収入)を得るのか?」)。
X投稿にも、実数を伴う投稿が複数あります。@hayashiwithnoteさんは、東京時代は年間5000万円ほどのストック収入を作っていました。
那須移住後は「家は500万円で買えるし食費は安いし駐車場は無料」で、そもそもお金が必要な環境ではなくなったと投稿しています。
前職で体調を崩して移住した@aoki_lifedesignさんは、協力隊の週4勤務と3年間の家賃補助で家賃を実質ゼロにしていました。
地域の人から野菜をもらうなど、人脈を通じた節約も含めて生活コストを大きく下げられたと具体的に振り返っていました。
減収そのものへの受け止め方も一様ではありません。@koike_wamamaさんは「収入は減ったけど、ストレスも出費も減りました」と投稿しています。
一方、@kankitsunigateさんは「ちゃんと転職先を探せば年収は下がらないよ」と、安易な「移住=収入減」という言説に反証しています。
製造業出身の@vvv_yanmasaさんも、家庭の事情による移住をきっかけに転職活動をしたところ「自分では当たり前だと思っていた経験にも、市場では価値がある」ことに気づいたと綴っていました。収入は下げるものではなく、探索次第で上げられる余地があるという見方を裏づけています。
私自身の実感としても、収入は「移住したから減る/増える」という単純な話ではありませんでした。地域での仕事を一つずつ積み上げていく過程で、単発の作業から継続的な依頼に変わるタイミングがあり、そこから収入の質が変わっていったという感覚があります。
収入と暮らしのバランスを、自分の場合で考えたい方へ
田舎暮らしで仕事と暮らしをどう組み立てるか、私たち夫婦が実際に使った移住前確認シートを無料で配布しています。
求人サイト・地域おこし協力隊などの探し方

探し方は、大きく分けて2つのルートがあります。
YouTube「9分でわかる!地域おこし協力隊の『活動・お金・進路』」では、①自治体のホームページやSNSから直接探す、②地域おこし協力隊まとめサイトの条件検索機能を使う、という2つの方法が紹介されていました。
まとめサイトには活動カテゴリー・地域・車の免許要件・活動支援制度などで絞り込める条件検索があり、自治体単位で探すよりも網羅的に比較できるとのことです(参考:YouTube「9分でわかる!地域おこし協力隊の『活動・お金・進路』(募集サイト紹介つき)」)。
ただし、募集サイトの情報だけで判断するのは危険だという指摘もあります。YouTube「【リアル】地域おこし協力隊の仕事について」に出演する淡路島の協力隊員2名は、「北海道と沖縄で同じであるはずがない」というたとえを挙げていました。
地域や担当部署によって実態がまったく異なる点を強調し、応募前に担当者と直接コミュニケーションを取ることが重要だと語っています(参考:YouTube「【リアル】地域おこし協力隊の仕事について」)。
X投稿では、探し方そのものを扱う情報発信も目立ちます。@miyachi_rikuさんは、東京から地方への移住採用で最大300万円の支援金が受け取れる制度(単身60万円・世帯なら100万円+子1人につき100万円)を紹介していました。
@isyokenmeiさんも、地方での起業支援金(最大200万円)と移住支援金(最大100万円)を組み合わせた最大300万円の制度を解説しています。
地方就職の情報サイト「LO活」を紹介する投稿(@LokatsuT、@Local_syukatsu)では、就職相談会・企業説明会・移住相談会など、求人票だけではわからない現地情報にアクセスできるチャネルが紹介されていました。
自分の得意なスキルを軸に探すという方法も有効です。@Rina_woooooさんは、ライターとして「地域おこしの仕事がしたい」と思いながらも、多くの求人が「取材経験がある方」を条件にしていたため一度保留にした経緯を明かしています。
その後、週3日〜勤務でライター経験を活かせる那須塩原市の協力隊募集に出会い、応募・採用に至ったとのことです。
田舎で働く上で大変だったこと

田舎の仕事には、求人票やまとめサイトだけでは見えてこない難しさもあります。
地元との価値観ギャップ
地元の人が協力隊に求めているのは、「町おこしをする有能な人材」ではなく「信用できる人・信頼関係を築ける人間」だという指摘があります。
YouTube「【田舎暮らし】地域おこし協力隊の”闇”を話します。」では、地元は「根回し」で動くシステムのため、外から見ると意思決定が遅く見えると説明されていました。
コロナ禍で飲み会や地区の集会といった従来の人間関係構築の場が失われたことで、新しい世代の隊員はより人間関係を築きにくくなっているという課題も語られています(参考:YouTube「【田舎暮らし】地域おこし協力隊の”闇”を話します。(長野移住)(田舎暮らし)」)。
信頼構築の泥臭さを一人称で語る投稿もあります。まちづくりで知られる地域に協力隊として着任した@stonejourneyさんは、当初「島の未来を変えよう」と意気込んでいたものの空回りが続いたと振り返っています。
「どうせあいつら、3年のお客さんだろ?」という周囲の見方を崩すには、一緒に草を刈り、行事で汗をかき、飲み会で酌をするという「泥臭い信頼構築」以外に方法がないと綴られていました。
私自身が地域でのEC運用やホームページ制作などの手伝いから始めたのも、同じように「まず結果を見せて信頼を積む」以外に選択肢がなかったからです。
協力隊のミスマッチ構造
制度自体の構造的な問題を指摘する声もあります。YouTube「【曲がり角に来た地域おこし協力隊①】ミスマッチの原因、お話しします。」では、弘前大学の平井太郎氏らの論文をもとに、なり手不足とミスマッチという2つの課題が整理されていました。
なり手不足は全国約5500名、2019年をピークに減少しており、目標は8000名だといいます。
着任した隊員の悩みを尋ねたアンケートでは、地域との関係を悩みとして挙げた人が45.8%、行政との関係を挙げた人が40.2%にのぼるといいます。
根本原因は労働時間に対する価値観の違いにあります。「時間対価でお金がもらえる行政」と「時間を価値に変えて初めてお金が入る起業家」のマインドセットのずれが、ミスマッチを生んでいると分析されていました。
対策として、起業経験者を相談役に配置する「マネージャー制度」の導入も提案されています(参考:YouTube「【曲がり角に来た地域おこし協力隊①】ミスマッチの原因、お話しします。(長野移住)(田舎暮らし)」)。
@localbiz_daoさんも、協力隊が「思ってたんと違う」となる原因を、①ミッションが曖昧、②田舎のスローライフへの憧れとのギャップ、③自己実現だけを目的にしてしまうこと、④担当職員ガチャ、という4パターンに整理していました。
特に④については、「事前に調べる事は難しくても、面談等で雰囲気は掴んでおくべき」と、応募前の対策にも触れています。
拘束時間・収入の現実
収入面の章でも触れた通り、協力隊の拘束時間には自治体ごとの差が大きく、同じ「週◯日勤務」という表記でも実態は大きく異なります(前掲の表を参照)。
手取り10万〜14万円という水準に加え、活動経費のうち自由に使える金額が想定より少ないという「使いづらさ」も、実際に働いてみて初めてわかる部分です(参考:YouTube「[給料大公開!]地域おこし協力隊の闇3選」)。
前職で体調を崩して移住した@aoki_lifedesignさんが週4勤務を選んだ背景にも、収入額そのものよりも体力の消耗を抑える必要性があったことがうかがえます。
まとめ:探すではなく、暮らしに組み込んでいく
「田舎に仕事はあるか」という問いは、前回の記事ですでに答えが出ています。今回見えてきたのは、その先の話です。
仕事の種類は地域おこし協力隊・テレワーク・地元企業・起業や複業と多様にあり、収入も協力隊の手取り10万〜14万円という実額から、複業で収入源を分散させる働き方まで幅がありました。探し方にも、自治体HP・まとめサイト・支援金制度・地方就職サイトと複数のルートが存在します。
その一方で、地元との信頼構築や制度自体のミスマッチのように、求人票やまとめサイトだけでは見えてこない大変さも確かにありました。
私自身、縁もゆかりもない状態で島根県・隠岐に飛び込んだときは、マーケターとしてのスキルがそのまま通用するとは思っていませんでした。
実際に機能したのは、東京での手法をそのまま持ち込むことではなく、地方の文脈に合わせて一つずつ形を変えながら、暮らしの中に仕事を組み込んでいくことでした。仕事を「探す」というより、日々の暮らしの延長線上に少しずつ組み込んでいく感覚に近いというのが今の実感です。
「地方移住は仕事がない」という不安への具体的な答えを先に知りたい方は、3回のローカル転職の年収実録をまとめた記事もあわせてご覧ください。
暮らしに仕事を組み込む前提として、移住そのものの判断ミスを避けたい方は地方移住の失敗を検証した記事もあわせてご覧ください。
仕事探しの前に、生活面も含めて整理したい方へ
田舎暮らしで仕事と暮らしをどう組み立てるか、私たち夫婦が実際に使った移住前確認シートを無料で配布しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 田舎暮らしで仕事はどのくらいの収入が期待できますか?
働き方によって幅が大きいのが実態です。地域おこし協力隊であれば手取り10万〜14万円程度が一つの目安ですが、家賃補助込みで実質家賃がかからないケースもあります。
複業やテレワークで収入源を複数持つことで、収入の柱を分散させている例も多く見られました。
Q2. 地域おこし協力隊はスキルなしでもなれますか?
スキルの有無よりも、募集要項に書かれたミッションと自分がやりたいことが合っているかが重要です。アート系の職歴からそのまま協力隊に転じた例もあれば、地域のPR業務のように未経験でも始めやすい役割もあります。
ただし雇用契約の有無や活動内容は自治体ごとに大きく異なるため、応募前に個別の確認が必須です。
Q3. 田舎でテレワークは実際にできますか?
テレワークで移住前の仕事を続ける移住者は実際に存在します。ただし、ハローワークで提示される地元求人の給与水準は都市部より低い傾向があります。
テレワークに切り替える、あるいはクラウドソーシング等で条件の良い案件を見極める工夫が必要になるケースも見られました。
Q4. マーケティング経験は田舎でも活かせますか?
そのままの形では機能しにくいというのが実感です。東京で培った手法や言い回しをいったん脇に置き、地域の文脈に合わせて一つずつ形を変えていく必要があります。
私自身も、集落の特産品のSNS運用や告知文の調整といった小さな作業から、少しずつ信頼を積み上げていきました。
Q5. 田舎の仕事探しで失敗しないためのポイントは?
自治体のホームページや協力隊まとめサイトの条件検索だけで判断せず、担当者との事前のコミュニケーションを重視することです。
同じ「地域おこし協力隊」でも自治体や担当部署によって拘束時間・収入・ミッションが大きく異なるため、個別のリサーチを省略しないことが重要になります。
運営者情報
この記事は、東京生まれ東京育ちのマーケターが、地縁もコネもない状態で島根県・隠岐の8世帯13人の集落へIターン移住し、暮らしながら運営しています。移住してからは、東京での経験がそのままでは通用しない現実に何度も直面しながら、集落の仕事に少しずつ関わってきました。
この記事のためにYouTube動画9本・X投稿32件を一次情報として収集・分析し、実体験とあわせて検証しています。詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。


